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少女ファイト

2008年11月29日 23:08

 少女ファイト
 リンクは4巻。

 バレーボールスポ根と思わせといて実は初心な少女が大人の階段を上る話。や、エロくないですよ?
 少女の成長物語としてはありがちな話なのだろうが、これがメチャ面白くて困る。気づけばコミック全巻揃えてイブニングにまで手を出していた。そして毎日のように読み返している。ウン。ビョーキだ。
 昔バレーボールをしていたせいでちょっと経験者補正かかってるのかと思ったのだが、4巻まではゲームの話はほとんどなく、人間関係の描写を重視。たぶん今後もそれは変わらない。
 ていうかスポーツエリート校に特別推薦で学費免除で入るようなヤツらが主人公なので、バレー的には最初からレベルが高い高い。全国行くの当り前みたいな会話がバンバン出てる。しがない都立高でベスト16がやっとだった俺からしてみると既にして彼女らは雲上人だ。こんなヤツらのスポ根見たってたぶん面白くもなんともない。

 だから、フツーの人がこれを面白いと思うならば、それはきっと主人公:練(ねり、という変な名前の女の子)の成長物語なんだろう。姉ちゃんが死んじゃって姉ちゃんの好きなバレーにのめり込んで、のめりこみすぎて今度は友達に引かれて、誰にも心を開けないというかなり(痛い)ネクラな子が、バレーボールを通じて真人間になっていくという。
 これが面白いのは分かるし、たぶん漫画的には王道なんだとも思う。
 でもバレー経験者だともうちょっと違う楽しみ方がある。

 実はこのバレー漫画、迫力を出すためなのかどうかは知らんが、スパイクのフォームがおかしい。
 スパイクを打つとき、手の軌道は常に肩を中心に真っ直ぐ振り下ろされる。つまり右手で打ったら、打点からのフォローは必ず体の右側を通る。
 ところがこの少女たちの手の軌道は常に肩を中心に袈裟懸けに振り下ろされるのだ。つまり右手で打ったら、フォローが体を斜めに横切って左側に行く。野球でいうオーバーハンドスローみたいな感じ。
 俺がバレー始めたとき、このスパイクのフォームはものすごく煩く言われた。フォロースルーを斜めにするとコースの打ち分けが出来なくなる、と。果たしてそれが本当に正しいのかどうなのか、そのように刷り込まれて育った俺は本当にそのようにしか打てなかったし、周りを見てもみんな同じフォームだった。
 ところがこの少女たちは変なフォームからスゲぇスパイクをガンガン打つ。打つ前はそりゃもう「ちょwwおまwwwそのフォームwww」みたいな感じだったのが、実際スパイク受けてみたら「あ、ありえねえ…」って感じになるくらいすげぇスパイクを。

 この漫画がこのまま全国大会まで行ったとき、全国の猛者たちがみんなこんなフォームでスパイクを打つところを俺はとても見てみたい。
 また、このフォームを真似して本物の春高とかインハイとかで変なスパイクを打つリアル高校生たちが出てきたとしたら、それもまた見てみたい。
 そしていつかそれが世界のスタンダードとなり、ワールドカップやオリンピックで世界最高峰の選手たちが皆変なフォームでスパイクを打つところを、俺はぜひ見てみたいのだ。

 余談だが、バレー経験者でアタッカーだった人たちがこの漫画を読んだら残らず思うだろうなーということをもう一つ。(今度は揚げ足取りじゃないよ)

 キャプテンが上げるトス、超打ちてー。
 たぶんこのトスが打てたら、俺はスパイカーとして何か別の人生を歩んでいた気さえする。
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